初メルセデス。
ハイエースの話題からは少し脱線します。が、メルセデVクラスはハイエースなどと共通するバンです。
筆者は今回中古のメルセデス・ベンツ Vクラス W639をほんの気まぐれから購入。
車に対する価値観が180度変わりました・・。
筆者は、以前から一生に一度はメルセデスに乗ってみようかなどと密かに思っていました。
ただ、新車で購入出来るような資金があれば良いのですが、所詮サラリーマンです。
1台の車に700万円以上、まして1千万円以上出すことなど到底できません。
そこで最近のメルセデスの中古に目を付けました。
外車、特にヨーロッパ車は減価償却が激しいのです。
メルセデスと言えども例外ではなく、いやむしろメルセデスの高額なクラスほど新車から数年で一気に値が下がります。
5年落ちほどで新車時の半額程になるようなものもあります。
まして10年以上の車なら・・。さらに10分の1ほどになるんです。
ただ、さらに古いいわゆるネオクラシックカー(1980年頃)の一部で人気がある車両は逆にプレミア価格となって新車時よりも高いなんていうものもあります。
故障の心配はないか?
以前(1990年~2000年前後)までのメルセデス・ベンツは故障も多かったようです。
しかも、部品が高価なため修理費用としてはトータルで高額になってしまう・・。
しかし、この2010年前後以降になると日本車並みに故障しにくくなってきました。と同時に新車価格も日本車に近い水準まで下がって、手が届きやすくなったのです。
ここで言う中古車は、1995年位から2010年位までの車が対象になります。
今回、筆者は2007年式のVクラスを新車時の10分の1以下で購入・・。
本記事ではそんな中古のメルセデスVクラスの購入から、走行フィーリング、メンテナンスなどを紹介したいと思います。
さて前置きが長くなりましたが、筆者が実際に購入した車はメルセデス・ベンツV350トレンドというどちらかというとスタンダードな廉価版。Vクラスというカテゴリになります。
要するにメルセデス版のバン⁼商用車です。
メルセデスの車は全て「クラス」分けされているのは周知のとおりですね。
Eクラスをはじめ高級なところではSクラスなどが有名ですが・・・。
今の人気はCクラスあたりでしょうか?
しかし筆者は今回セダンクラスには初めから眼中にありません。
目線が低い車にうんざりしていたからです。
Vクラスは上で紹介したとおり、所謂ミニバン(早い話が商用車)というカテゴリーになります。
日本車でいうと、トヨタのアルファードなどが人気ですね。
筆者は国産のミニバンとは今まで縁がありません。遥か昔ニッサンのキャラバンに乗っていたことがありますが、現在とは車の出来が違いますね。
さて、問題のメルセデス・ベンツ V350です。これはすでに14年落ちの中古になります。
中古車のネットで有名なgooネットというサイトがありまして筆者は何気にこのサイトで今回のV350が妙に気になりだしてふと販売店を見たら、何と地元のモータースだったのです。
気になった筆者は早速、現車を確認するためそのモータースに足を運び確認してきました。とても小さな車屋さんでそこの社長さんがとても気さくであまり商売っ気のないところが気に入ってとうとうV350を購入したという訳です。
契約したのが2020年も押し迫った12月に入ってからだったので、年内の納車は間に合わなかったのですが、新年早々中古とは言え憧れのメルセデスで正月を迎えます。
納車は新年の正月気分も残った2021年1月8日でした。
試運転で驚きの安定性 安心感
そこで納車後早速、試運転しました。
決して大げさではない正直な感想を以下に述べます。
最初、ノロノロの徐行でも車の堅牢性をはっきりと実感できました。
「カッチリしている」 まさにその形容が合っています。ドイツ製品として筆者が、従来知っていたのがアクアリウムで使うポンプです。エーハイムという商品名?社名かな? が正にこのカッチリした製品作りされた印象なのです。
メルセデスもエーハイムの延長線にあると感じます。
その後、驚いたのがバイパス道路に入った後です。
驚愕の一言! その安定性と安心感にビックリ・・。
車の仕様は決して今風のエコな経済カーではありません。
V6 3500CC 258馬力という筆者にとっては初めての大パワー車。ただし、車重が2.2トンあるので決してクイックな挙動はできません。
しかしアクセルを軽く踏むとスーッと流れるように加速します。
本当に驚いたのは高速の比類ない安定性。
最初などあまりに軽く加速していくのでふとスピードメーターに目をやると時速100kmを超えている?筆者の従来の国産車の感覚では時速60km位かと勘違いしたほどです。
しかも時速100km出ている感覚がないのです・・。高速でも車はピタッと路面を捉えていて不安が全くありません。
ははあ、これがメルセデス・ベンツが優れている総合的な安全ポリシーか・・。と感じた次第です。
筆者の車遍歴は、免許取りたて後のサニーに始まり、コロナ、RX-7、シティー、レジェンド、そして初めてのヨーロッパ車 ランドローバー、と多種多様です。
誤解を恐れずに敢えて言うと、メルセデスに近い車は、ホンダのレジェンドかランドローバーでしょうか?
いやいや、やはり違いますね。メルセデスの「曲がる」、「止まる」、「まっすぐ走る」という動作の一つ一つは日本車より間違いなく1つ2つ上の次元にあると感じます。
自動車とはこういうものだ!という主張を嫌が応でも体験できます。
今まで自分が車だと思っていた国産車(日本車)という既成概念を根底から覆された・・という感覚が正直な気持ちなのです。
メルセデスのストレス
車高の高いこのVクラスでこれですから、セダンやSUVなどの安心感は容易に想像できます。
だからといって、横柄な奢った運転をするメルセデス・ベンツのドライバーをたまに見ますが、あれはいけませんね・・。たしかにメルセデスにとって時速80kmや100kmというスピードがノロく感じるのは判ります。
ドイツでは制限速度無制限というアウトバーンがこのような高速走行に特化した車を生み出した背景にあるのです。
アウトバーン では平均時速が200kmという話も聞きます。
でも日本では第2東名高速でさえ時速120kmが制限速度なのです。
平均時速200kmを普通にこなすメルセデスが日本の道路ではその潜在能力を発揮でないストレスがあるのも事実でしょう。
高温多湿な日本と本国ドイツとは気候も異なります。ストップアンドゴーの多い日本の道路における更なるストレスがメルセデスを不調に追いやって故障の発生を誘発します。
さて、最近の日本車もかなり優れていると思います。
世界でも日本車人気は決して低いものではないと思いますし、かつての高度経済成長期からみたら格段に車も進化しています。
ただ、世界最古の自動車メーカーであるダイムラーベンツ社にはやはり今一歩及ばないというのが現状ではないでしょうか?
筆者が今まで車とはこういうものだと思っていた日本車とはまるで異なるのがメルセデスです。
V350に乗ったあと、トヨタ車に乗ると何かフニャフニャした感覚に襲われます。
乗り物酔いをしそうになる、そんな気持ちですね。
Vクラスにちょっと乗っただけでそんな偉そうなことを・・。と思われるかもしれません。
しかし、逆に考えるとメルセデス・ベンツの徹底した車づくりはこの商用バンベースのVクラスにおいてさえも、手抜きなく健在であることの証が筆者が感じた安心感ではないかと思う次第です。
運転したことも乗ったこともありませんが、恐らく他のクラス、CクラスやAクラスなどすべてがこの安全性のもとに作られていると確信できます。事実そのようなポリシーが根底にある車づくりをしているメルセデス。
ダイムラーベンツのポリシーで「完全か 無か」という言葉があります。
今回筆者はこの意味のほんの一かけらが見えたような気がしております。
新車で買う? 中古で買う?
メルセデス・ベンツの新車はハッキリ言って高いですね。国産と比べた場合ですが・・。
しかし最近のAクラスやBクラスならちょっと背伸びすれば届く価格になってきました。
それでも、ある意味妥当な価格かもしれません。メルセデスケアなどもありまから・・。
しかし筆者は程度の良い中古でも充分と考えます。
今回筆者はこのV350をほぼ毎日のように乗っておりますが、故障するような不安はありません。
かつてのメルセデス・ベンツの中古車は故障が多かったと言われていたのも事実です。
また、AT機構の故障などでは部品代も含めて数十万円もの費用がかかった、さらに車検費用も国産の倍以上、場合によっては50万円も請求されたとか、メンテナンス費用も高かった時期もあったようです。
車も消耗品ですから、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。
特にメルセデスのような高速走行を前提に設計された車は、ブレーキパッドやタイヤの消耗も激しく、安全走行する上では重要です。
しかし、メルセデスならあの走行フィーリングや安全性と引き換えに少々のメンテナンス費は当然のことかと考えています。
メルセデス の安全性
世界最古の自動車メーカーでもあるダイムラー社。あらゆる交通事故の研究でも他社とは一歩も二歩も抜きん出ています。
まるで戦車にでも乗っているのか?と錯覚するほどの堅牢性。安全を最優先させた車づくり。
車を取り巻く社会環境は時代とともに刻々と変化しています。
そんな環境下においてさえ安全に車を走らせることを前面に出したポリシーを貫いている訳です。
メルセデス ・ベンツは昔の方が良かったという意見もたまに聞きます。しかし、かつての交通事情と現在では相当な開きがあるのが事実です。
懐古趣味的な意見もあるでしょう。しかし、もっと環境そのものに目を向けると安全性への対処は変化するのです。
その時代その時代にあったメルセデス の普遍的な車づくりに共感するのは筆者だけではないと思う今日この頃です。